治療により医療用ウィッグ(かつら)が必要になったとき、選び方や自然に見せる付け方に戸惑う方も多いと思います。髪の毛の手植えと機械植えの違い、つむじの見え方、印象を大きく決める前髪の調整、サイズ感、不自然に見えないコツ…この記事では医療用ウィッグをナチュラルに美しく着用する方法をお届けします。ここでご紹介するウィッグを自然に見せる付け方は、初心者の方にもおすすめです!
目次
ウィッグを自然に見せる付け方とコツ
ほんの少しの工夫で、ウィッグを自然に見せる付け方はぐっと簡単になります。
日常的なケアでサラサラ髪をキープ
医療用ウィッグを美しい状態で保つには地毛同様、毎日のケアが大切です。清潔な状態を保つこと、そして絡まないようにすることに気をつけましょう。
毎日ウィッグを着用している方で1週間〜10日に1回のシャンプーと、ウィッグを着用する前と後のブラッシングを心がけてください。皮脂や汚れで束になってしまったり、絡まってしまったウィッグは、髪の毛がペタリとして違和感が生まれます。
毛材や長さ別の洗い方、清潔に保つアイテム、ブラッシングのコツなどについては「【ウィッグの洗い方・お手入れ】毎日のケアと定期的なシャンプー・コンディショナーのコツ」で詳しくご紹介しています。ぜひこちらをチェックしてください。
サロンや美容院でウィッグをカットして前髪の長さ・毛量の多さを解消
オーダーメイドのウィッグは一人一人の顔の輪郭や目鼻立ち、雰囲気にあわせて仕上げることが可能ですが、既製品のウィッグは被ってみるとなんだか不自然…ということもあります。前髪が思ったより長かったり、毛量が多すぎる場合はご自身に合わせて自然なスタイルに見えるよう調整しましょう。
ただしウィッグは切りすぎたら戻りません。そして、人の髪とウィッグは毛材や生え方が違います。セルフカットではなく、医療用ウィッグをカットできる美容院、もしくは専門のサロンでお願いしましょう。
医療用ウィッグのカットができる美容院について、自分でカットしない方がいい理由については「医療用ウィッグのカットはセルフ?美容院?メンテナンスの対応は?」の記事で詳しくご紹介しています。
被り方のコツ|インナーにネットやガーゼキャップを活用
医療用ウィッグを自然に見せるには、その前の準備がポイントとなります。ウィッグの下にはウィッグネットやガーゼキャップを使いましょう。

ウィッグネットは地毛のボリュームが多いときに。髪の毛をコンパクトにまとめ、ウィッグが盛り上がって頭が大きく見えてしまうのを防いでくれます。ガーゼキャップは髪の毛がない脱毛時に。頭皮の皮脂や汗を吸収し、着用中のズレをカバーしてくれます。
また、ウィッグを被る前に襟足部分を持って逆さにし、ゆらゆら振ると全体がふんわり、立体的になります。手ぐしや目の粗いブラシで髪をほぐしスタイルを整えてから、着用してください。
被る前の準備で印象や心地よさはぐんと変わります。準備を整えることこそが、ウィッグを自然に見せる付け方の基本です。
ウィッグが不自然に見える原因とよくあるお悩みを解説|購入時の選び方ポイント
「せっかくウィッグを買ったのに、なんだか不自然に見えてしまう…」
そんなお悩みを持つ方は少なくありません。実はウィッグが不自然に見えるのには、いくつかの原因があります。ここでは代表的なポイントと、自然に見せるための選び方をご紹介します。
医療用ウィッグとファッションウィッグの違い
まず知っておきたいのが、医療用ウィッグとファッションウィッグの違いです。
医療用ウィッグは、がん治療や円形脱毛症などで脱毛している方に向けて作られています。頭皮へのやさしさや長時間つけていても快適であることが大切にされているのが特徴です。
一方、ファッションウィッグはおしゃれやイメージチェンジを目的としたもの。スタイルやデザイン性を重視して作られているので、機能性や頭皮への配慮は医療用ほど高くはありません。
また、2015年には医療用ウィッグのJIS規格が制定され、日本毛髪工業共同組合の厳しい検査を通過した製品には「M.Wig」マークが与えられます。購入時は、このマークがついているかどうかをチェックしてみると安心です。
人毛・人工毛・MIX毛の違いと特徴
ウィッグが自然に見えるかどうかは、毛の種類でも大きく変わります。
【人毛】…特殊加工した、人の毛髪
- 人毛ウィッグ
自然な光沢と手触りが魅力。自分でスタイリングもできますが、日々のお手入れが必要です。
- 人工毛ウィッグ
型崩れしにくくお手頃価格。ただし、人工毛特有のテカリが気になる場合もあります。
- MIX毛ウィッグ(人毛+人工毛)
人毛の自然さと人工毛の扱いやすさを兼ね備えています。軽くて手入れもしやすいので人気です。
「できるだけ自然に見せたい」という方には、人毛かMIX毛がおすすめです。
製法の違い(マシンメイドとハンドメイド)
毛の植え方でも仕上がりに差が出ます。
- マシンメイド(機械植え)
価格が手頃で種類も豊富ですが、メーカーによって自然さに差があります。
- ハンドメイド(手植え)
職人が1本ずつ丁寧に植えるため、ふんわりとした立ち上がりがあり、とても自然な仕上がり。価格は高めですが、自然さ重視の方に向いています。
つむじ・もみあげのチつむじ・もみあげのチェックで仕上がりの見た目がグッと自然に!
「バレやすい」ウィッグの大きな原因は、つむじやもみあげ部分にあります。
- つむじ
地肌が見える構造かどうかが大事。人工皮膚付きなら、より本物の髪のように見えます。
- もみあげ
浅いデザインだと不自然に見えがち。顔のラインに沿って自然に見えるタイプを選びましょう。
自然にウィッグを長持ちさせる保管方法と注意点
ウィッグは毎日のお手入れと同じくらい、保管方法も大切です。間違った保管をすると型崩れや劣化の原因になり、「不自然に見える」大きな要因となってしまいます。ここでは、自然な状態を保ちながら長持ちさせるためのポイントをご紹介します。
専用スタンドで形をキープ
使用後は机や棚に置きっぱなしにせず、必ずウィッグスタンドや専用の台にかけましょう。スタンドにかけることで、通気性が保たれ、湿気や蒸れによるカビ・ニオイを防げます。また、型崩れを防ぎ、次に着用するときも自然な形を保てます。
直射日光・高温多湿は避ける
ウィッグは紫外線や熱に弱いため、窓際や暖房器具の近くに置くのはNG。人工毛は熱で変形しやすく、人毛も乾燥や色あせの原因になります。保管する際は、風通しがよく涼しい場所を選びましょう。
長期保管はケースや袋に入れて
しばらく使わない場合は、スタンドから外して通気性のある不織布の袋やケースに入れて保管すると安心です。ビニール袋は湿気がこもりやすいため避けてください。毛先に軽くブラッシングをしてから収納すると、次に使うときも絡まりにくくなります。
保管前には必ず清潔に
汗や皮脂がついたままの状態で放置すると、においや絡まりの原因に。長期保管する前は、シャンプーとコンディショナーでしっかり洗って乾かし、清潔な状態でしまいましょう。
正しく保管することで、ウィッグはより自然な質感を保ちながら長く使えます。毎日のちょっとした工夫が、美しい仕上がりをキープする秘訣です。保管や日常ケアとあわせて、ウィッグを自然に見せる付け方を意識すれば、毎日の仕上がりが一段と自然になります!
自然な医療用ウィッグのおすすめ商品カテゴリー一覧
ここまで自然に見せる付け方をご紹介しましたが、実際に自然に見える商品選びも同じくらい大切です。
ショート
NEWふんわりボリュームショート
トップに軽くカールをつけているので、ふわりとエレガントな印象。毛先には軽さを出トップに軽くカールをつけているので、ふわりとエレガントな印象。毛先には軽さを出し、重たく見えない工夫が施されています。縦長ラインでスタイルを作っているため小顔効果も狙えます!耳たぶが見える長さなので、大きめのピアスやイヤリングをつけても可愛いですよ。
NEWフレッシュボブ
好感度の高好感度の高い、誰からも愛されるコロンとした丸みのあるフォルム。どんな頭の形、どんな顔型の方でも似合う王道のボブスタイルです。カジュアル、フォーマル、スポーティ…幅広いファッションにもあわせやすいのも魅力です。
*医療用としてのこだわり*
- つむじ部分は人工皮膚付きで職人が1本1本手植え
- 深いもみあげ
- 自然で扱いやすいMIX毛
- 長時間でも安心の薄くて軽い軽量ネット
- サイズ調整ができるアジャスター付き
ミディアム
ニュアンスショートボブ(SE4)
トップに軽やかなボリュームをもたせた立体ヘア。まるで心地よい風が吹いたようにふんわり。ウィッグだからこそ叶う、自然な毛流れにこだわりました。軽すぎず、重すぎず、やわらかで女性らしい印象を叶える絶妙なバランスです。
クールエアロⅢミディアム
近所へのお買い物も、お友達との食事会も、爽やかにフィットするスタイル。適度なボリュームもあり、使い勝手バツグンです。内側には機能性素材“リフレスマイル”を採用。抗菌・吸水速乾・接触冷感により、頭皮をすっきり快適な状態に保ちます。
*医療用としてのこだわり*
- つむじ部分は人工皮膚付きで職人が1本1本手植え
- 深いもみあげ
- 自然で扱いやすいMIX毛
- 快適さを追求したネット
- サイズ調整ができるアジャスター付き
- 内側に機能性素材採用(クールエアロⅢミディアム)
ロング
NEWベーシックロング
サラサラと風になびく髪にキュンとする、上品なロングスタイル。長さがありながらも重い印象にならないよう、毛先に軽さを出し動きをつけています。髪の分量が多いロングスタイルを自然に見えるよう、毛材も植毛も工夫がなされています。
コンフォートロング(Pi-6)
毛先にゆったりとしたカールをつけたミディアムロング。ボリュームをおさえ軽めに仕上げた前髪が、表情を明るくイキイキとみせてくれます。程よい長さがありながら、スッキリとした印象です。

*医療用としてのこだわり*
- つむじ部分は人工皮膚付きで職人が1本1本手植え
- 深いもみあげ
- 自然で扱いやすいMIX毛
- 快適さを追求したネット
- サイズ調整ができるアジャスター付き
ウィッグ専門のグッズを買うなら、レディススヴェンソン公式ECサイトのPreSta
いまこの記事をご覧になっているPreStaは、約20年前から医療用ウィッグを作り続けてきたスヴェンソンが運営しています。治療中のウィッグやそのお手入れグッズ、頭皮ケアや帽子など髪まわりのアイテムはもちろん、抗がん剤の副作用で影響を受ける爪や眉毛などの外見ケアアイテムまで、患者さまが必要なものをトータルでサポートしています。ぜひ、あわせてご覧ください。


監修 齊藤典充 先生 /なごみ皮ふ科院長/医学博士
1933年北里大学卒業、同大学皮膚科に入局
1988年~2000年 米国カルフォルニア大学サンディエゴ校留学
国立横浜病院(現:国立病院機構横浜医療センター)皮膚科、北里大学皮膚科助手、講師、国立病院機構横浜医療センター皮膚科部長、横浜労災病院皮膚科部長、米元皮膚科医院副院長を経て、2020年10月より現職に至る
脱毛のストレスを、 一緒に軽減していきましょう。
抗がん剤治療は、副作用として脱毛をきたすことがあります。その頻度は決して低くはありません。見た目が変わることは、さらに 精神的負担となってくると思います。脱毛を完全に予防するのは難しいとは思いますが、毛髪が再度生えてくることも多く、治療中に行うと良いケアもありますので、今できることを一緒に考えてみましょう。

















