2024.07.09

体に優しい乳がん術後ブラジャー:選ぶ際の5つのチェックポイント

乳がん手術後は専用の下着があります。肌に優しい素材、着脱しやすい前開きのデザイン、傷口を守り左右のサイズ感を整えるパッド…術後の乳房をサポートするために、さまざまな工夫が施されています。今回は術後のブラジャーやパッドの役割と選び方をご紹介します。 

乳がん手術後に適したブラジャーの選び方とは?前開きの専用下着がおすすめ!

術後ブラジャーとは?乳がん手術後の特性理解

乳がん手術直後は腕を上げにくかったり、動作がしにくいため、後ろでホックをとめるタイプのブラは困難です。傷口やそのまわりの皮膚もデリケート。これまで使っていたブラジャーでは痛みや使いづらさを感じてしまうことがあります。素材やデザインなど、術後の体が心地よく過ごせるように配慮された専用の下着を選びましょう。

初めての術後ブラ選びで注意すべき5つのポイント

ポイント1:縫い目が傷口にあたっていないか?

縫い目だけでなく、タグが傷口にあたる部分にないかチェックしましょう。

ポイント2:ストラップ(肩紐)は太めのものを

むくみがあるとき、太めのストラップの方が肩に食い込みにくく痛くありません。

ポイント3:ホックより、マジックテープやスナップボタン

抗がん剤の副作用で手に痺れがあるとき、テープやボタンの方がラクです。

ポイント4:着脱しやすい前開きがオススメ

腕が上がらないときも、前開きタイプならスムーズに脱ぎ着できます。

ポイント5:治療中の敏感肌にも優しい綿混素材を

術後は少しの刺激でも敏感に感じることがあるため、肌に優しい素材を選びましょう。

いつからどのような術後ブラを着用すべき?

乳がん手術後のブラジャーは時期によって適したものが変わってきます。「手術直後」「通院・検診時」「手術2〜3ヶ月後の回復期」それぞれにふさわしいものをご紹介していきます。

手術直後

手術直後は腕が上がりにくかったり、傷口に痛みや違和感があったり、肌がいつも以上に敏感になっていたり、センシティブな状態です。

肌ざわりよく、胸を優しく包んでくれる「胸帯(前開き)タイプ」のブラジャーを選びましょう。

おすすめブラ

肌ざわりも吸水性も抜群。Tシャツ感覚でつけられる綿素材のブラ。着たままでもパッドの位置を調整できる、大きめのポケット付き。

ソフトケアブラの商品詳細画像
ソフトケアブラ

縫い目なしの極薄素材。伸縮性に優れ肌に寄り添うようにフィット、洋服にも響きません。薄くて軽い専用パッド付き。

シームレスブラの商品詳細画像
シームレスブラ

アンダー部分の圧迫を極力減らしお家でのリラックスタイムにもピッタリ。バストシルエットを整える成型カップ・ソフトポケット付き。

ワコール リマンマ BBZE693の商品詳細画像
ワコール リマンマ BZE693

通院・検診時

検査や検診時はすぐに脱ぎ着できるよう、前開きインナーがおすすめ。カップ付きの「タンクトップ・キャミソール・長袖タイプ」があると、季節やそのときの状況に応じて身につけられるので安心です。

タンクトップの前開きインナー

入院着や首まわりの広い洋服からもはみ出しにくい、深めのUネック。パッドの位置を調整できるポケット付き。ゆったりとしたサイズ感です。

キャミソールの前開きインナー

肩ひもの片側が取り外せるため、点滴したまま着替えることが可能。紐の調整器具は金属ではなく、プラスチックを使用しています。

長袖タイプの前開きインナー

肌寒い日のための、長袖インナー。湿気や汗を熱に変えて保温する機能性素材でつくられています。冷えから体を守り、しっかり温かいのに生地は薄手。着膨れせず、洋服がすっきり着られます。

手術2〜3ヶ月後の回復期

手術から2〜3ヶ月が経つと、個人差はありますが傷口は徐々に和らいでくる方が多いようです。少しずつ補正タイプのブラジャーで慣らしていきましょう。

まずはじめは、「ノンワイヤータイプ」がおすすめ。

また、日々の生活も回復とともに、体を動かすことが増えてきます。とくに乳房を全て切除された方は、左右のバランスを取るのが難しいかもしれません。外見と重さ、両方を補正できるパッドを併用しながら快適に、美しく、お過ごしください。

おすすめブラ

体の動きに寄り添うノンワイヤーブラ。アンダー〜脇にかけてのラインはやわらかストレッチテープを使用し、動きに優しくフィットします。肌にあたるパーツは綿100%、快適なつけ心地を追求しています。

術後の時期に合わせてパッドを選ぼう

時期に合わせた適切なパッドとは

一般のパッドはバストラインを整えるために使用しますが、術後用のパッドは外見を整えるためだけではありません。手術した部位を保護する、保温する(切除により皮下脂肪が少なくなり、寒さを感じやすくなることがあります)、体のバランスを整えるなどの役割があります。

また、時期に合わせて適切なパッドも異なります。

手術直後は傷口を保護するためのパッド、通院や検診時はふくらみを補うためのパッド、2〜3ヶ月後の回復期は乳房の重みを左右そろえ、体のバランスを整えるためのパッド。適した素材も変わってくるので、体の回復に合わせて選んでいきましょう。

おすすめのパッド

手術直後〜退院後まで、これ1つでOK!治療段階に応じて、組み合わせを変えられる万能パッド。

パッドがずれる時はどうする?

術後、パッドを使用したけど「ずれる」というお悩みを抱える女性は多くいらっしゃいます。

パッドがずれる主な原因としては、ブラジャーやパッドのサイズ感やフィット感に問題があることが多いようです。体にきちんと合う下着をつけ、治療の時期にあわせてパッドを使い分けるのがポイント。

原因と解決策について、PreStaの過去の記事でも詳しくご紹介しています。

こちらもあわせてぜひお読みください。

乳がん全摘後によくある「パッドがずれる問題」の解決策は?

サイズの正しい測り方  

乳房を切除された後、ブラジャーを購入するときサイズはどうやって測ればいいんだろう?そう感じていらっしゃる方も多いと思います。

術後のブラジャーはタイプ、あるいはメーカーによってトップバストで選ぶもの、アンダーバストで選ぶもの、カップで選ぶものなど異なります。

ここでは基本的な測り方をお伝えします。

手術後にサイズを測る場合

  • トップバスト: 手術をしていない側の胸の中心〜乳頭〜背骨まで、半周を測ります。
  • 半周の数字をAとし、(A cm-2cm)×2 =トップバストの数字となります。
手術後、トップバストの測る位置と範囲です。
  • アンダーバスト:バストの膨らみの下の部分を1週させ、測ります。
手術後、アンダーバストを測る位置と範囲です。
  • カップサイズ
カップの基準サイズ表

バストサイズは体重の増減や体調によって変動し、変化が大きいものです。ブラジャーを購入するタイミングで採寸しましょう。 

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