2024.07.11

抗がん剤治療中の口内炎対策・治し方|セルフケアにおすすめの歯磨き粉やうがい薬

抗がん剤治療を始めるとさまざまな変化が現れますが、口内炎や乾燥など口腔内(口の中)にもトラブルが起こることをご存知でしょうか。症状がひどくなると痛みから食事が摂りにくくなったり、会話がしづらくなったり、がん治療中の生活に大きな影響を与えます。この記事では口腔内のトラブル対策やケアについてお伝えします。 

抗がん剤治療中の口内炎対策

抗がん剤治療の副作用による口内炎や口腔トラブルの原因

薬の種類や個人差はありますが、抗がん剤治療の副作用により約3〜4割の方に口内炎が、そして約4〜7割の方に口腔乾燥が起こると言われています。

抗がん剤により口の中の粘膜や唾液腺がダメージを受け、炎症やただれが起こりやすくなったり、唾液の分泌量が減ってしまうことがトラブルの主な原因と考えられています。

唾液には重要な役割がたくさんあります。唾液の減少によって口内の抗菌作用や自浄作用が十分に働かなくなると、細菌や真菌、ウイルスが急増するとされています。

口内炎や口腔トラブルによる治療へのリスク

抗がん剤のつらい副作用、というと脱毛や吐き気などの印象が強いかもしれません。しかし、口の中の強い痛みや不快感は食事のしづらさへとつながり、その結果、栄養が上手に摂れなくなってしまいます。また、免疫力が下がりがちな治療中は炎症による口の中の傷口から二次感染を引き起こし、全身状態を悪化させてしまうことも。抗がん剤治療が継続できなくなってしまうことさえありえます。

抗がん剤治療による口腔トラブルを完全に防ぐことはできません。しかし、治療前に歯医者さんへ行ったり、ご自身でも口の中をしっかり観察するなど、準備や対処をすることでリスクを減らすことはできます。

口内炎の専門家による治療

歯科受診のタイミング

がんの診断を受けたら、治療を開始する前に歯医者さんへ行きましょう。できれば抗がん剤治療を始める2週間前までに、受診をしておくのが理想です。

虫歯や親知らず、歯周炎など歯の治療をしていない状態で抗がん剤治療を始めると、今まで症状を感じなかった歯が急に腫れたり、痛くなったり、悪化してしまうことがあります。歯科治療をし、健やかな口腔環境をつくることで感染症のリスクも減らせます。

医療機関での予防・治療法

がん治療前に歯医者さんを受診した場合、いったい何をされるのだろう?と不安を感じる方もいらっしゃると思います。それぞれの口内環境にもよりますが、次の3つが歯科で行う代表的なケアです。

1)口の中のトラブルチェック

大きな虫歯や歯周炎など、がん治療中にトラブルになりそうな歯がないかをチェックします。トラブルを起こしそうな歯がある場合は、がんの主治医の先生と相談のうえ可能な範囲で治療を行います。

2)口の中のクリーニング

口の中でトラブルを起こす細菌の数を減らすために、クリーニングの機械を使って歯石やプラークを除去します。細菌の数を減らすことで細菌感染を防ぎ、トラブルを抑えたり軽くしたりすることへつながります。

3)セルフケア指導

歯医者さんで口の中をきれいにしたら、その状態を保つことが大切!そのためには「正しい歯磨き」を知っておかなければなりません。きちんとした歯磨きをプロから指導を受けることで、細菌の少ない良い状態をキープすることができます。

治療の効果を高める、日常でのセルフケア

セルフケアは「清潔」「保湿」「痛みのコントロール」が基本となります。また、ご自身で口の中の状態をよく観察してください。口腔内のトラブルを完全に防ぐことはできませんが、痛みや不快感を軽くする方法はあります。それぞれのポイントをご紹介していきたいと思います。 

清潔

口内炎を悪化させないためにも、口の中をきれいにしておくことは大切です。うがいはこまめに、そして歯磨きは可能な限り丁寧に行うようにしてください。痛みがある場合は麻酔成分を含むうがい薬や軟膏、保護剤もあります。強い痛みのときは、湿らせたガーゼでぬぐう方法や、うがいだけにする場合もあります。口内の状況によりますので、まず、ご自身の症状を医療スタッフに伝え、相談してください。

乾燥対策と保湿

抗がん剤の影響により、唾液の分泌が減少し口の中が乾きやすくなります。潤いが不足すると口の中を傷つけやすくなるので、こまめにうがいをし、保湿ジェルや保湿スプレーを使って口内の粘膜に水分を補いましょう。

マウスウォッシュを使う場合は、保湿成分が入っているもの、刺激が少ないノンアルコールのものを選んでください。唾液の分泌を促すために、飴やガムを食べたり、唾液腺を刺激するマッサージも有効です(頭部や頸部の放射線治療を受けた方は、皮膚にダメージを与えるので、唾液腺のマッサージは控えてください)。

就寝中はとくに口の中が乾燥しやすいので、寝る前に口内をしっかり保湿し、加湿器やマスクを使うのもよいでしょう。

痛み止めと刺激を避けるための食事

痛みがあると食事が摂れず栄養不足になり、体力も低下してしまいます。鎮痛成分を含むうがい薬を使用したり、症状がひどい場合には医師に相談して処方された薬、内服タイプの鎮痛剤、場合によりオピオイド鎮痛薬(医療用麻薬)を使うと痛みが軽減されます。

また、食べ方にも工夫が必要です。痛みが強いときは刺激の強いもの(熱いもの、冷たいもの、塩分や酸味の強いもの、辛いもの)は避け、刺激の少ないもの(ゼリーやおかゆなどやわらかいもの、舌ざわりがなめらかなもの)を食べるようにしてください。

歯磨き粉の選び方と使用法

口内炎があるときの歯磨き、つらいですよね。口の中に痛みがあっても、口の中を清潔にすることは大切です。抗がん剤治療中は口内の粘膜がとても敏感な状態のため、歯磨き粉の成分には気をつけたいところです。

歯磨き粉は研磨剤や発泡剤(界面活性剤)、メントール、アルコールなどを含まない低刺激のものを選んでください。市販されている低刺激の歯磨き粉にはさまざまな種類のものがありますが、天然由来成分の歯磨き粉なら刺激が少なめです。

歯磨き粉を使用したほうがスムーズに歯垢を除去でき、口の中もさっぱりします。吐き気の緩和や食欲の増進へつながりますので、できる方法を見つけてください。

うがい薬(マウスウォッシュ)の効果と使い方

歯磨き粉がしみる場合は、水や生理食塩水、マウスウォッシュ(洗口液)を使ってブラッシングを行いましょう。口内炎などで痛みが強く、ブラッシングも難しい場合はマウスウォッシュでうがいを。マウスウォッシュは低刺激でアルコールの入ってないものを選んでください。

うがいの回数は1日3回以上〜8回程度。のどを洗うとき「ガラガラ」と音をたてるうがいではなく、口の中を洗う「くちゅくちゅ」タイプのうがいをしてください。

口内炎対策におすすめの商品

歯磨き粉

バイオペースト

天然成分だけで作られた、食品レベルの安全性を持つ歯磨き粉。主成分はバイオミネラル。海水と植物から採取したミネラルに特殊な振動を与えたもので、優れた洗浄力を持ちます。鉱物油、研磨剤、界面活性剤、防腐剤、エタノールすべて不使用。口内炎などでお口の中に痛みがあるときはマウスウォッシュとしても使用可能です。 

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バイオペーストの商品パッケージと歯ブラシにのせた状態
バイオペースト

ジェントルトゥースペースト

唾液のチカラに着目して作られた、低刺激の歯磨き剤です。発泡洗浄剤(ラウリル硫酸ナトリウム)、アルコール、パラベン無配合。お口の粘膜に与える刺激が抑えられているので、デリケートな状態のときもやさしくケア。口内環境を健やかに保つのに役立ちます。

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ジェントルトゥースペーストのパッケージ
ジェントルトゥースペースト

歯ブラシ

ウルトラソフト歯ブラシ

お口の中に痛みや炎症があるときも刺激を与えにくい、超軟毛の歯ブラシ。弾力性に優れたウルトラソフト毛は、義歯をお使いの方の粘膜ケアにもご利用いただけます。丸みのある幅広のハンドルは、抗がん剤の副作用などで手にしびれがあるときも握りやすいぽってりとした形です。

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指でブラシ部分を触り、やわらかさを明示しています
ウルトラソフト歯ブラシ

保湿剤

ジェントルマウスジェル

抗がん剤治療中、乾きやすいお口を潤す保湿ジェル。発泡洗浄剤(ラウリル硫酸ナトリウム)、アルコール、パラベン無配合。口内がカサカサするときはもちろん、ネバネバするときも心地よく潤します。寝る前に塗っておけば、唾液の分泌が減る就寝中でも安心です。 

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ジェントルマウスジェルを指先に出しています
ジェントルマウスジェル

うがい薬(マウスウォッシュ)

ジェントルマウスウォッシュ

キシリトールのほのかな甘みと、天然ペパーミントの爽やかな味がすっきり洗浄。ノンアルコールでしみにくい、刺激の少ないマウスウォッシュ(洗口液)です。発泡洗浄剤(ラウリル硫酸ナトリウム)、アルコール、パラベン無配合。荒れた口内を浄化し、口臭も予防します。

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ジェントルマウスウォッシュのパッケージです 
ジェントルマウスウォッシュ

口内炎や口腔トラブル以外の副作用も優しくケアして「つらい時期」を乗り切りましょう

今回の記事は抗がん剤治療中の口内炎対策やケアについてお伝えしてきましたが、口腔トラブル以外にも、副作用のさまざまな症状を感じていらっしゃるかもしれません。

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