抗がん剤治療による副作用、と聞くと脱毛や吐き気というイメージが強いかもしれませんが、手や指先など皮膚にも変化が起こることがあります。この記事では皮膚障害により「爪」にどのような症状が現れるか、そのときケアとして何が必要かをお伝えします。
爪を保護するアイテムや爪にやさしいマニキュアなど、具体的な商品もご紹介しますので、参考になさってくださいね。
目次
抗がん剤の種類別、爪に出る症状と原因
抗がん剤治療の副作用として、爪に起こる症状は様々です。具体例としてお伝えすると、爪が黒く変色する、筋が入る、凸凹になってしまう、薄くなる、割れる、痛みがでる、などが挙げられます。
これはがん治療に用いる薬が細胞分裂の活発な爪の根元部分や、爪の下の皮膚に影響を与えるからだと考えられています。
薬の種類や組み合わせによっても症状や発生するメカニズムは異なります。
抗がん剤の種類ごとに、原因を見ていきましょう。
殺細胞性抗がん剤のケース
殺細胞性抗がん剤は、細胞分裂が活発な細胞に働きかけます。しかしがん細胞と正常細胞を区別できないため、分裂が盛んな爪の細胞にもダメージを与えてしまいます。その結果、爪の変形や変色、筋が入る、もろくなるなど副作用として症状が現れると考えられています。
症状がいつ現れるかは個人差があり、幅があります。
分子標的型抗がん剤のケース
分子標的型抗がん剤は、特定のがん細胞や関連する経路を狙い撃ちします。しかしその標的はがん細胞だけでなく、正常な皮膚細胞になってしまうこともあります。その結果、皮膚の正常な新陳代謝が妨げられたり、皮脂の分泌が抑制され乾燥状態になり、皮膚や爪に障害が現れると考えられています。
抗がん剤治療中のおすすめケア対策・予防方法
抗がん剤治療中のおすすめケア対策
食事をするとき、スマホを操作するとき、家事をするとき…指先は暮らしの中でひんぱんに目に入るパーツです。それだけに、なるべく気持ち良い状態を保ちたいもの。
どのようなときに、どのようなアイテムを使ってケアをするのが良いか。具体的な商品とともにご紹介します。
- 爪が乾燥する、ガタガタする>>>新爪まわりの保湿オイル
爪がガタガタに生えてきた、なんだかとても乾燥する…健やかな爪を生やすためには、爪をつくる甘皮部分を保湿することが大切です。
「新爪まわりの保湿オイル」は抗がん剤治療で悩む、がん患者さんの声をもとに生まれたもの。医療用ウィッグのパイオニアとも言えるスヴェンソンが、患者さんと接する中で「爪も指先もボロボロになってしまう」というお悩みを聞き、なんとかしたい!と試行錯誤を重ねて完成した商品です。
爪をやさしく保護してくれる天然由来の成分「ラケシス(成分表ではマスチック樹脂と表記)」、肌になじみやすいうるおい成分「スクワラン」、古来より美容成分として愛されてきた「ツバキ種子オイル」など、保湿成分を贅沢に配合。ベタつきにくく、塗りやすいペンタイプなので、気になったときサッと保湿できます。
爽やかなシトラスの香りも、使うたびに気分をリフレッシュさせてくれますよ。
- 爪の欠け、割れを防ぎたい>>>爪にやさしいネイル保護コート
治療をスタートしたばかりで、まだそれほど爪に変化は感じていないけれど、今後なるべく欠けたり割れたりしないよう、予防としてのケアをしたい…そんなときは健やかな爪を育むケアと同時に、表面を保護しましょう。ちょっと何かを取るときや服を着るときなど、外部の衝撃から指先を守ってあげることが大切です。
「爪にやさしいネイル保護コート」はその名の通り爪をやさしくケアしながら、しっかり保護するコート剤。
天然由来の成分「ラケシス(成分表ではマスチック樹脂と表記)」をはじめ、うるおい成分「ヒアルロン酸」、健やかな爪に欠かせない「コラーゲン」を配合。
一般的なコート剤は小さな瓶に入っていることが多いのですが、こちらはペンタイプなので塗りやすく、携帯しやすいのが◎。自然なツヤ感を与え、爪をイキイキと見せてくれます。
ほんのりローズの香りで、使うたびにうっとり。40℃程度のお湯でオフOK!
パッケージ、そして頼もしい機能からもしかして?と気づいた方もいらっしゃるかもしれません。はい。こちらも医療用ウィッグのスヴェンソンが「新爪まわりの保湿オイル」同様、患者さんの声をもとに開発した商品です!
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- 爪の黒ずみが気になる>>>ANDIZUMO水性ネイル
爪の黒ずみ、変色…そんなときは指先を美しさとやさしさで包んでくれる、ネイルカラーで彩りましょう。
「ANDIZUMO 水性ネイル」は「水」を主成分としてつくられたマニキュアです。広く一般的に販売されているマニキュアの多くは、有機溶剤が含まれているためデリケートな状態の爪に負担をかけることがあります。
水が主成分の水性ネイルは、有機溶剤を使っていないため爪にやさしいのが最大の特長。独特のツンとしたニオイがないので、がん治療でニオイに敏感になってしまったという方もお使いいただけます。
オフするときは40℃程度のお湯に1分程度浸すと、ネイルの端が浮いてくるのでその部分をつまんで剥がしてください。お湯で落とせるので、除光液でゴシゴシこすって爪に負担をかけることもありません。
お気に入りの色を何色かあつめて、服を着替えるようにネイルを楽しんではいかがでしょう。
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- 爪が浮く、二枚爪になる>>>爪テープ25mm幅
爪が浮いてしまう、二枚爪になる、欠ける、割れる…そんなときは、それ以上状態を悪化させないためにテープを巻いて保護しましょう。
「爪テープ25mm」は爪専用の保護テープ。特殊な加工をしているのでとても良く伸び、ベタつかずしっかりくっつきます。口コミでも利用された多くの方が「ベトベトしない」と高評価。テープ同士が接着するので、剥がす時に爪にくっついてひっぱられる、ということもありません。
※天然ゴムを使用していますので、ラテックスアレルギーの方はご使用を控えてください。
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「外部の衝撃から守る」ということで言うと最初にご紹介した「爪にやさしいネイル保護コート」も同じです。「爪テープ」との使い分けについて、まとめてみました。
【爪テープ】
・爪の割れや亀裂など、実際に症状が出ている場合。
・応急処置として、すぐに保護したい場合。
・爪が浮いているときなど、衝撃から指先を守りたい場合。
【爪にやさしいネイル保護コート】
・治療始めで予防としてケアしながら、爪を丈夫に育みたい場合。
・割れていない部分もふくめ、保護・ケアしたい場合。
・乾燥からくる爪の欠けなどを防ぎたい場合。
※「爪にやさしいネイル保護コート」は爪が欠けていたり、膿んでいたり、実際に症状が出ているときは使用を避けてください。
抗がん剤治療(投与)中の予防方法
爪がもろくなり割れてしまう、剥がれてしまう、感染を起こしてしまう…抗がん剤の種類によって、爪に大きなダメージを与えるものがあります。
近年、そのような状況をふまえ「症状が出てから対処する」のではなく、あらかじめ「予防」する方法も考えられています。
フローズングローブ・ソックスは、抗がん剤投与中に手足を冷やすことで血流を減らし、抗がん剤の影響を抑えると考えられているもの。予防法として注目度は高いものの、どの医療機関でも対応している、という状況ではまだないようです。
使う薬によって、そして同じ薬を使っても個人の状態によって副作用は異なります。気になる情報をキャッチしたときは、まず主治医や看護師さんに相談してください。
抗がん剤による爪の症状の回復までの期間
抗がん剤治療の副作用によって起こる爪のトラブル。黒く変色する、筋が入る、凸凹になってしまう、薄くなる、割れる、痛みがでる…これらは、抗がん剤の投与が終われば、少しずつ改善されていきます。
使用する抗がん剤の種類、投与量、患者さんの状態により異なりますが、手の爪は約半年、脚の爪は約1年で再生すると言われています。
指先は目に入りやすいパーツなので、日々状態を観察しやさしくケアしてくださいね。
いまこの記事をご覧になっているPreStaは、これまで13万5千人以上の方に医療用ウィッグを提供してきたスヴェンソンが運営しています。
多くの患者さんと接してきた経験をもとに、治療中に必要な商品をセレクト。もちろんその中にはこの記事で紹介した爪のケアアイテムも、それ以外のものも多数取り揃えています。
ぜひ、ご覧ください。